バンビ「水族館って、ちょっと幻想的な世界だよね。」
新 名「わっかる。なんかさ、装備ナシでダイビングしてる気分。」
不二山「うん。
本当に海でダイビングしたらすげー感動するんだろうな。」
新 名「してみてーなぁ、ダイビング。」
不二山「......あ。この水槽、ダイビング体験できるみてーだぞ?」
バンビ「水族館って、ちょっと幻想的な世界だよね。」
新 名「わっかる。なんかさ、装備ナシでダイビングしてる気分。」
不二山「うん。
本当に海でダイビングしたらすげー感動するんだろうな。」
新 名「してみてーなぁ、ダイビング。」
不二山「......あ。この水槽、ダイビング体験できるみてーだぞ?」
バンビ「2人とも、ボウリング上手だよね。」
新 名「そ?」
バンビ「あんなふうにピンがバーンって倒れたら気持ちいいだろうな。」
不二山「まあな。でも、おまえが俺らよりうますぎたらちょっと引く。」
新 名「あー。男の立場、ないっスね......」
新 名「ふうっ......やっぱ新譜歌うのってキモチイイ!!」
バンビ「ふふっ。」
不二山「連続3曲目だ、おまえ。
つーか、よくそんだけの歌知ったるよな。」
新 名「いい曲って聴くのもイイけど、やっぱ自分でも歌いたいっつーか?」
新 名「で、毎月気に入った曲をダウンロードしてると、
すぐに数十曲溜まっちゃう、と。」
不二山「ふーん......なんか新名らしいな。」
バンビ「2人は、恋してる?」
不二山「してない。」
新 名「うん、オレも。」
バンビ「......話、終わっちゃた。」
新 名「ハハッ。
大体さ、してたらこんな風に3人で集まるとかって、ありえねぇし。」
不二山「ありえねーの?」
新 名「ありえねーッス。
好きになったコのことにガツガツ行ってるって。」
不二山「そっか。 じゃあ、もし――」
バンビ「もし?」
不二山「............
なに言おうとしたか忘れた。」
新 名「嵐さーん......」
バンビ「(不二山くん、なにを言おうとしたんだろう?)」
バンビ「男の子と女の子が親友になることって、ありえると思う?」
不二山「あるだろ。普通に。」
新 名「オレもある派。」
バンビ「即答だね?」
新 名「だって、オレらがそうじゃん。ね、嵐さん。」
不二山「まあな。」
バンビ「不二山くん......新名くん......」
新 名「あ、なに?感動してんの?
ここは友情確認でハグっとく?」
不二山「............」
新 名「あ、じゃあ先に嵐さんと確認......」
不二山「! いい、来んな!」
新 名「逃げた!追いかけよ!」
バンビ「(行っちゃった。 わたしも行こうっと!)」
バンビ「男の子同士の友情って、どういう感じ?」
不二山「考えことねーよ、そんなの。」
新 名「うん。ない。」
バンビ「そうなの?」
不二山「口に出さなくてもそこにある。だから考える必要ない。」
新 名「そうそう。確認する必要もないッスもんね。」
不二山「まあな。」
バンビ「(なんだか羨ましい......)」
バンビ「女の子らしさって、どういうところに感じる?」
新 名「やっぱ、しぐさでしょ。」
不二山「たしかに、女っぽい動作ってあるよな。」
バンビ「たとえば?」
不二山「耳にかかる髪、かきあげたり。」
新 名「あるある。」
不二山「あとは、何か拾う時とか。」
バンビ「具体的には?」
不二山「男は普通に腰、曲げるだろ。」
不二山「でも女はスカート履くから、膝を揃えてしゃがむ。」
バンビ「あ、言われてみれば......」
新 名「へぇ......嵐さん、よく見てんじゃん。」
不二山「まあな。けっこう勉強になるし。」
バンビ「勉強?」
不二山「うん。骨格が違うから筋肉の付き方、使い方も微妙に違う。」
不二山「そういう部分、
見抜けるようになるだけで試合の組み立て方も変わってくる。」
不二山「だから、男とか女って言うより人間を見てる感じだ。
目と頭の訓練になるから。」
バンビ「へぇ、そうなんだ......」
新 名「なるほどなー、やっぱ嵐さんてパネェ......ん?
そんな話だったっけ?」
バンビ「(あれ?)」
バンビ「男の子に好かれる女の子ってどういう子だと思う?」
新 名「んー。 アンタみたいなコ?」
バンビ「えっ、わたし?」
新 名「そ。オレと嵐さんみたいな極端な2人と、
なーんの問題もなく喋れてるし。」
不二山「見た目も悪くねぇし。」
バンビ「!」
新 名「なんか......嵐さんがそういうと言うの、初めて聞いた......」
不二山「そうか?」
新 名「そうだよ!なあ?」
バンビ「う、うん。」
不二山「まあ、
ここにいるのがおまえじゃなかったら言ってねーな。たしかに。」
新 名「すげー......ホラ、
こんなことを嵐さんに言わせるくらいなんだから自信持っていいよ。」
不二山「? そこまでか? わっかんねー......」
バンビ「(ハァ、びっくりした......)」
バンビ「初めて会った時、お互いのこと、どう思った?」
不二山「逸材発見。」
新 名「これだよ。
フツウ、チャラ男は無視すんのがセオリーでしょ?この手の人はさ。」
新 名「なのに入部前提でどんどん話、進めるし......もう、怖ェのなんの。」
バンビ「ふふっ、じゃあ、今は?」
新 名「今はまあ......フツウの先輩って感じ?」
不二山「なんだ、普通か。」
新 名「まさか”いい先輩”とかって思ってたり?」
不二山「”尊敬する先輩”だろ?」
新 名「自分で言うし。」
バンビ「(いいコンビだよね、この2人って)」
バンビ「2人は、わたしがいないとき なにを話したりしてるの?」
新 名「まあ、たいてい柔道の話から始まって......」
不二山「うん。食い物の話とか。そこいらの連中と大して変わんねーよ。」
バンビ「そっか。」
新 名「あ、そういや菊の話、聞いた。
嵐さん、育てんのが趣味だって。」
バンビ「新名くんもするの?」
新 名「ムリムリ。ウチ、そんな庭ねぇもん。
けど、こんど見せてもらう約束した。」
バンビ「ふぅん......いいなぁ。」
不二山「いいなぁじゃねーよ。おまえも来るんだよ。」
バンビ「えっ、そうなの?」
新 名「元々、アンタも誘ってって話だったからさ。ちょうど良かった。」
不二山「日には2人で決めていい。うちはいつでも平気だから。」
新 名「押忍。 んじゃ、あとで話そうぜ。」
バンビ「うん!」
バンビ「2人が好きなスポーツってなに?」
新 名「オレはハヤリもんならなんでもだけど、最近は......」
バンビ「最近は?」
新 名「まあ......柔道、とか?」
不二山「............へぇ......」
バンビ「ふふっ!嵐さんは?」
不二山「俺も柔道。 やっぱ、組める相手がいるのって違う。」
バンビ「うん......そうだよね。」
不二山「おまえは?」
バンビ「えっ......わたし?」
不二山「そう。」
新 名「オレも聞きたい!」
バンビ「えぇと......柔道......かな!」
新 名「ハハッ、空気読んだ。さっすが。」
不二山「うん。俺らのマネージャーだけある。」
バンビ「(なんだかちょっと照れるかも......)」
バンビ「2人の好きな食べ物ってなに?」
新 名「なんか作ってくれんの?ヤッリィ!」
バンビ「そ、そういうワケじゃ!」
新 名「前にも言ったかもだけど、
オレはパスタとピザ!あとは野菜スティック。」
バンビ「野菜スティック?」
新 名「そ。新味のディップ作るのが楽しくてさ。」
不二山「ディップってなに?」
バンビ「ドレッシングみたいなもの......かな?」
不二山「へー。食ってみたい。」
新 名「じゃ、今度、作ってこよっかな。
なにが好きなんスか?嵐さんは。」
不二山「............ステーキ。」
新 名「そんなので作れねぇし。」
不二山「じゃあ、イクラ。」
バンビ「イクラディップ......」
新 名「ざーんしーん......」
バンビ「ほ、他に好きなものは?」
不二山「うーん...... あ、にんにく。」
新 名「それだ!それならアンタもイケるでしょ?」
バンビ「う、うん。たぶん。」
新 名「よし決まり!」
新 名「......てか、なんでオレがなんか作るって話になってんの?」
バンビ「(言われてみれば......)」
バンビ「もうすぐ冬休みだね。」
不二山「スーとスケート行きてーな。」
新 名「いいっスね! オレ、スノボしてぇ。」
バンビ「ふふっ、2人ともウィンタースポーツ好きなんだ?」
不二山「好きっつーか、冬になったら 恒例行事?」
新 名「恒例行事っつったら、クリスマス正月もじゃん?」
不二山「クリスマスは、べつに。」
新 名「嵐さん、マジで言ってんの!?サビシイ......」
不二山「じゃあおまえ、クリスマスだからって、何すんだ?」
新 名「えっと、それは......ヒミツ?」
バンビ「(......と、いうようなことを話しながら下校した)」
バンビ「寒い日が続くね。」
不二山「うん。心身ともに引きと締まっていい。」
新 名「嵐さんって、まさに”子どもは風の子”っスね。タフ過ぎ。」
不二山「なんか引っかかる言い方だな......」
不二山「おまえももっと気を引き締めてみろ。文武両道なのにもったいねえ。」
新 名「なんかビミューにムズ痒いんですけど......」
バンビ「ふふっ。」
バンビ「(......と、いうようなことを話しながら下校した)」