新 名「卒業式。」
バンビ「えっ?」
新 名「終わったら、会いてぇな。アンタに。」
新 名「まあ......約束はできねぇけどさ。
一応、覚えといてよ。」
バンビ「......うん。」
新 名「あーあ。一緒に卒業してぇなー。」
バンビ「(新名くん......)」
新 名「卒業式。」
バンビ「えっ?」
新 名「終わったら、会いてぇな。アンタに。」
新 名「まあ......約束はできねぇけどさ。
一応、覚えといてよ。」
バンビ「......うん。」
新 名「あーあ。一緒に卒業してぇなー。」
バンビ「(新名くん......)」
バンビ「新名くん、もうすぐ誕生日だったよね。」
新 名「あ、お祝いしてくれるって話?
そうだな、何がいっかなー。」
バンビ「えっ!?あの、えぇと......」
新 名「ハハッ、冗談だって。
あのさ、アンタからならオレ、モノでも言葉でも、
なんでもいいよ。」
新 名「この話題をアンタのほうから出してくれたって時点で
じゅうぶん、嬉しいし。」
新 名「まあ、ゼイタクを承知で言えば
形に残るものだといいなーと思ったり?」
新 名「でもガキのころ以来だ、誕生日が楽しみなのって。
早く来ねぇかなー、オレ誕。」
バンビ「(......ひょっとして、すごく期待されてる?)」
バンビ「もう少しで文化祭だね。準備は順調?」
新 名「モチ。 ふだんは喋らないような子も
お祭り騒ぎのせいか気軽くに話しかけてくるし。」
新 名「いいコミュニケーションの場だよなー、こういうのって。」
バンビ「............ なるほど。」
新 名「ん? なに、今の間。」
新 名「あ、ひょっとして妬いてんの?
なんだよ、心配するなって。トモダチトモダチ。」
バンビ「(......と、いうようなことを話して下校した)」
新 名「弟が、アンタと話をさせろって うるさくてさ......」
バンビ「【わたしも話してみたい!】」
新 名「ダメ。」
バンビ「どうして?」
新 名「アイツまでライバルに加わるとかになったら目も当てらんねぇし。」
バンビ「ライバル?」
新 名「そ、ライバル。
兄弟はね、似てるんです。いろいろと。わかるでしょ?」
バンビ「うーん......?」
新 名「ハァ。とにかくダメ。この話終了!」
バンビ「もうすぐ冬休みだね。新名くん、ご予定は?」
新 名「スノボ。ボード新調したから、滑り倒すぜ。」
バンビ「そうなんだ。新調したのはボードだけ?」
新 名「ホント言うとウェアも買い換えたいトコだけど......」
バンビ「やっぱりこだわりがあるの? デザインとか、流行とか。」
新 名「まあ、そこ言い出したら毎年換えてぇよ?
でも、ンなこと言ってたら財布が持たねぇじゃん?」
新 名「ま、着てるオレが工夫すれば、
それなりに見えるって話だな。節約節約。」
バンビ「(意外としっかりしてるなぁ)」
バンビ「そろそろ期末試験だね。準備してる?」
新 名「まあ、そこそこ。はば学の先生方は意地悪くねぇから
ある意味、楽なんだよな。」
バンビ「意地が悪くない?」
新 名「うん。問題の出し方が素直ってか、傾向さえ掴めちゃえばラク。」
新 名「てか、もうそんな時期か。
そろそろひとに見せる用ノート作んないとヤバイかも。」
バンビ「(人に見せる用ノートって......
新名くんって、ひょっとして頭いい?)」