琉 夏「今日は月がキレイだ......少し遠回りしてこう。」
【ロマンチックだね?】
琉 夏「まあね。 ......誰がさんのせいでね。」
【遅くなるから......】
琉 夏「あぁ、そっか。
俺と違って、まだ囚われの身だもんな?」
琉 夏「今日は月がキレイだ......少し遠回りしてこう。」
【ロマンチックだね?】
琉 夏「まあね。 ......誰がさんのせいでね。」
【遅くなるから......】
琉 夏「あぁ、そっか。
俺と違って、まだ囚われの身だもんな?」
琉 夏「単車もいいけど、歩いた方がいいことも、あるな。」
【健康にいいよね?】
琉 夏「え? あぁ、そっちか......
俺、”じゃない方”のこと考えちゃった。」
【スキンシップできるもんね】
琉 夏「まあ、そういうこと......
一応、オブラートにくるんでみたんだけどね。」
バンビ「世にも恐ろしいよ~お化け屋敷だよ~」
バンビ「(ふぅ......お化けになって客寄せは大変だ......)」
琉 夏「お化けください。」
バンビ「あ、琉夏くん!入って入って!」
琉 夏「お化けも付いて来る?」
バンビ「わたしは客寄せだよ。」
琉 夏「じゃ、ヤダ。」
バンビ「もう、入って!」
琉 夏「それいい......入ろうっと。」
バンビ「お客様、ごあんなーい!」
【成功】
琉 夏「○○ちゃん。」
バンビ「あ、琉夏くん!ずいぶん長くいたね?面白かった?」
琉 夏「面白い。 あのさ、コンニャクもっと無い?」
バンビ「裏にいけばあるよ?」
琉 夏「とって来よう。楽しい~!」
バンビ「(参加してる......でも、大成功かな!)」
【失敗】
琉 夏「あれ、出口だ。」
バンビ「あ、琉夏くん。どうだった?」
琉 夏「どうってなにが?」
バンビ「恐かったとか、面白かったとか......」
琉 夏「どうだっけ? それよりほら、さっきのやって?」
バンビ「(ぜんぜんダメみたい......失敗しちゃったかな)」
琉 夏「なぁ......」
バンビ「......あ、ゴメン。」
琉 夏「そうじゃない。そうじゃなくて、俺......」
バンビ「う、うん......」
琉 夏「俺さ、もう、ダメかも。」
バンビ「琉夏くん......」
琉 夏「ギリギリなんだ。余裕、無いんだ。」
琉 夏「なぁ......そば、行っていい?」
バンビ「え?ちょっと――」
琉 夏「オマエのせいだ......」
バンビ「......待って。」
琉 夏「......何やってんだ、俺。」
琉 夏「ゴメン、怖がらせて。」
バンビ「ううん、わたしの方こそ。」
琉 夏「もう、帰ったほうがいいみたいだ。 なぁ......」
バンビ「うん?」
琉 夏「次、会う時はさ、いつも通りになってるかな、俺たち。」
バンビ「きっと。」
琉 夏「そうだな、きっと...... じゃあ、帰る。」
バンビ「うん、バイバイ。」
琉 夏「ダメだ、待って。なぁ、ホントに......」
バンビ「え? あの、ゴメン......」
琉 夏「ハァ......」
バンビ「ねぇ、怒った?」
琉 夏「怒るわけないだろ?」
バンビ「でも......」
琉 夏「怒ってるんじゃない。 ただ、少し......」
バンビ「......うん、どうしたの?」
琉 夏「どうしたのって......俺......」
琉 夏「............
ゴメン、もう大丈夫。」
バンビ「う、うん......」
琉 夏「”うん”じゃない。
言ったろ?俺たち、子供じゃないって。」
バンビ「ゴメン、ふざけ過ぎだよね?」
琉 夏「ホント、ふざけ過ぎだ。」
バンビ「ゴメン......もう、やめるね?」
琉 夏「え?......もうって、これからずっとってこと?」
バンビ「だって、嫌な気分にさせたくないもん......」
琉 夏「......嫌じゃないって。やめなくていい。」
バンビ「でも――」
琉 夏「ダメだ、やめちゃ。 ......じゃあ、帰る。」
バンビ「(......琉夏くん?)」
琉 夏「ちょっと、待って......一回、やめて。」
バンビ「え? あ、ゴメン!」
琉 夏「ハァ......」
バンビ「あの......」
琉 夏「言っとくけどさ、俺ら、子供じゃないだろ?」
バンビ「う、うん......わかってるつもり。」
琉 夏「そっか。わかってんのか、
......じゃ、いいんだな?」
バンビ「......え?」
琉 夏「コチョコチョ2!」
バンビ「ダメっ!くすぐったいっ!ゴメンなさいっ!アハハハッ!!」
琉 夏「思い知ったか。コチョコチョ2。」
バンビ「はぁ、はぁ...... 思い知りました......ゴメンなさい。」
琉 夏「よし。 じゃあ、帰る。バイバイ。」
バンビ「うん、バイバイ!」
琉 夏「ハァ......」
バンビ「あの......」
琉 夏「今日はさ、なんか積極的?」
バンビ「ちょっと、ふざけ過ぎちゃったよね?ゴメン......」
琉 夏「べつに、謝らなくていい。」
バンビ「でも......」
琉 夏「その代わり......」
バンビ「?」
琉 夏「コチョコチョだ!」
バンビ「いやっ!くすぐったいよっ!アハハッ!!」
琉 夏「思い知ったか。ごめんなさいは?」
バンビ「はぁ......苦しい......ゴメンなさい。」
琉 夏「よし。 じゃあ、帰ろ。バイバイ。」
バンビ「うん、バイバイ!」
琉 夏「まただ。」
バンビ「えっ?」
琉 夏「”えっ”じゃない。」
バンビ「あの、わたし......」
琉 夏「ちゃんとこっち、見て。」
バンビ「......うん。」
琉 夏「そんなに俺に触れたい?」
バンビ「ごめんね、嫌ならやめるけど......」
琉 夏「質問に応えて。
......どう、触れたい?」
バンビ「わたし、なんて言えばいいか......」
琉 夏「”うん”って言えばいいよ。」
バンビ「......わたし。」
琉 夏「いいよ、もう。ちょっと、いじめちゃった。」
琉 夏「でも、なんとなくっていうのは嫌だ、俺。
それだけ、覚えといて?」
バンビ「うん。」
琉 夏「よくできました。 じゃあ、帰る。バイバイ。」
バンビ「(琉夏くん......)」
琉 夏「ストップ。」
バンビ「あの......ゴメンね、嫌だった?」
琉 夏「なにが?」
バンビ「え?なにがって、だって......」
琉 夏「だから、なんのこと?言って?」
バンビ「あの、触ったりしたこと、だけど。」
琉 夏「なんだ、そのことか。ぜんぜん?嫌じゃないよ?」
バンビ「そう、なら良かった――」
琉 夏「ただし。」
バンビ「え?」
琉 夏「お互い様なら......だけどさ。」
バンビ「あの、わたし......」
琉 夏「今じゃない。いつかね?」
バンビ「............」
琉 夏「あれ?なんだかビミョーなムード。 じゃあ、帰るわ。」
バンビ「(琉夏くん......)」
バンビ「(ハァ......今日も一日、よく働いたな! さぁ、帰ろう!)」
???「○○ちゃん。」
バンビ「あ、琉夏くん!」
琉 夏「今から帰るとこ?」
バンビ「うん、ちょっと遅くなっちゃった。」
バンビ「琉夏くんも、いま上がり?」
琉 夏「まあね。今日はさ、しんどかったね、お互い。」
バンビ「そうだね......琉夏くん、お疲れ様。」
琉 夏「そっちこそ、お疲れ様。」
琉 夏「行こう?うちまで送る。」
バンビ「いいの?もう、ずいぶん遅いけど......」
琉 夏「遅いから、送ってくんだろ?」
バンビ「でも......」
琉 夏「いいから、ここは素直に甘えて?」
バンビ「はい。じゃあ、お願いします。」
琉 夏「............いい。」
(..................)
バンビ「着いちゃった......
琉夏くん、ありがとう。送ってくれて。」
琉 夏「ん......」
バンビ「ん?」
琉 夏「あれ?お駄賃のチューでしょ。
......まさか、タダだと思った?」
バンビ「えぇ、そうだったの!?やだ、どうしよう......」
琉 夏「............やっぱ、いい。」
バンビ「もうっ!なんなの!?」
琉 夏「わかんなくていい。
いつまでもそのままでいて欲しい......」
琉 夏「じゃあね、おやすみ。」
バンビ「(琉夏くん?)」
バンビ「送ってくれてありがとう。」
琉 夏「うん。 じゃあ今日最後のサプライズだ。」
バンビ「えっ?」
琉 夏「ハッピーバースデー。○○ちゃん。」
バンビ「覚えててくれたんだ......嬉しい!」
琉 夏「ちょうどデートもできたし。今日渡せて良かった。」
バンビ「ありがとう、琉夏くん。」
琉 夏「どういたしまして。俺も嬉しい。」
琉 夏「それじゃ、またね。」
バンビ「(琉夏くん......)」
バンビ「(今日はすてきな誕生日だったな......)」
バンビ「波の音が聞こえる......」
琉 夏「どうかした?」
バンビ「ううん、やっぱり素敵な部屋だなと思って。」
琉 夏「だろ? そろそろ送ってくから、支度して?」
バンビ「ねぇ......もうちょっといちゃ、ダメ?」
琉 夏「いいよ、もちろん。」
バンビ「やった!」
琉 夏「その代わり、夕ご飯の支度させちゃうよ?」
バンビ「いいよ?それくらい。」
琉 夏「じゃあ、部屋の掃除もだ。」
バンビ「ふふっ!してあげるよ?」
琉 夏「それじゃあ......」
琉 夏「明日の朝、コーヒー淹れて。もちろん、この部屋に泊まって。」
バンビ「......えっ?」
琉 夏「今晩さ、コウは実家に泊まるんだって。
だから、ちょうどよかった。」
バンビ「あの、わたし......」
琉 夏「どうした?ここに居たいなら いつでもOKだよ?」
バンビ「ゴメンなさい......」
琉 夏「......そんな、顔しなくてもいいよ。冗談だから。」
バンビ「えっ!? もう......ビックリした!」
琉 夏「ほら、早く行こう。支度して。」
(..................)
バンビ「ありがとう、送ってくれて。」
琉 夏「うん、あのさ......」
バンビ「......?」
琉 夏「いつでもOKってのは、冗談じゃないよ?」
バンビ「......琉夏くん。」
琉 夏「オマエはさ、自分が思っている以上に、可愛くて、セクシーで......」
琉 夏「弱いよ。」
琉 夏「それで俺は......オマエが思っている以上に
ズルくて、乱暴だよ...... 気をつけて。」
バンビ「......はい。」
琉 夏「......いい。」
バンビ「......?」
琉 夏「いまの”はい”って言うの、
今度は、石ころケリながらやって。”は~い......”って。」
バンビ「もう......」
琉 夏「じゃあね。」
バンビ「うん、バイバイ!」
バンビ「もうすぐ夏休みだね......琉夏くんはどうするの?」
琉 夏「花屋のバイト。」
バンビ「そっか。 じゃあ、バイト以外の日は?」
琉 夏「バイト入れた。生活に夏休みはないからね。」
バンビ「なんだか世知辛いね......
もっとこう、楽しいことは?せっかくの夏休みなのに。」
琉 夏「楽しいか...... あ、そうだ、あれ。」
バンビ「なに?」
琉 夏「雨どいの掃除。」
バンビ「......楽しい?」
琉 夏「それがさ、超楽しい。噓だと思ったら、手伝ってみる?」
バンビ「(絶対ウソだと思う......)」
バンビ「もうすぐ期末テストだね?」
琉 夏「そうだね。」
バンビ「なんか余裕っぽい......すごいなぁ!」
琉 夏「まあね。」
バンビ「琉夏くんって、普段、ぜんぜん勉強しないでしょ?
どうしてそんなに頭がいいの?」
琉 夏「アタマいい?イカレてるって言われるけど。
......まあ、勉強は得意か。」
バンビ「得意っていうのは、やっぱり秘訣がある......とか?」
琉 夏「そんなとこ。」
バンビ「教えて!」
琉 夏「ぜんぜんダメ。 もっとカワユク、こう、首をかしげて。」
バンビ「............」
琉 夏「どうぞ。」
バンビ「......教えて♡」
琉 夏「いい......もう一回。」
バンビ「もう!」
琉 夏「しょうがない。
授業中って大抵ひまだろ?その時に教科書を全部読んじゃうんだ。」
バンビ「全部?」
琉 夏「そう。先に全部覚えちゃう。そうすると、大体いい点取れるよ?」
バンビ「まあ、それが出来る人は、そうだろうね......
じゃあ、数学は?」
琉 夏「数学? あぁ、あれは......なんとなく出来ちゃう。」
バンビ「今のところ、ぜんぜん秘訣じゃないよ......
じゃあ、現国は?暗記してもダメでしょ?」
琉 夏「そう。だから、いつも赤点。」
バンビ「(ちゃんと勉強しよう......)」