紺 野「○○さん、お疲れ様。」
バンビ「あ、紺野先輩。お疲れ様です。」
紺 野「ギリギリだったな。間に合ってよかった。」
バンビ「手伝ってもらっちゃってすみません。
紺野先輩も忙しいのに......」
紺 野「はは、困った時の文化祭運営委員だから。
遠慮なくこき使ってくれ。」
バンビ「ふふ......」
放 送「これより、はばたき学園 学園演劇を開演いたします。」
紺 野「......始まるな。
何が起こるかわからないし、気は抜けないぞ。」
バンビ「はい!」
(..................)
紺 野「この場面終わったら、背景チェンジだ。暗転と同時に走るぞ。」
バンビ「はいっ。」
王 子「姫様、オレは帰るよ。アンタの知らない世界へ。
こんな馬鹿げた暮らしはもう御免だ。」
姫 「ダメよ。 王子が行くなら、わたしもついて行くわ。」
王 子「みんながオレを見てるようで本当は誰も見ていない。
王子なんてただの飾りなんだな......」
紺 野「......重いな。」
バンビ「えっ?」
紺 野「あっ、いや、今の王子のセリフが胸に刺さるというか......」
紺 野「はは、何言ってるんだろうな。感情移入しすぎだ。」
バンビ「紺野先輩......?」
姫 「わたしはあなたを見てるわ!」
姫 「あなたはいつも笑顔の裏で悲しんで、苦しんで......
そうして耐え続けていることをわたしは知っているわ。」
紺 野「..................」
バンビ「紺野先輩、もうすぐですよ。」
紺 野「..................」
バンビ「(舞台に見入ってる。大丈夫かな......)」
紺 野「......えっ?」
バンビ「紺野先輩、急いで!」
紺 野「あ、ああ。」
紺 野「うわっ!」
バンビ「(..................
こんなときにボーッとするなんて、らしくないなぁ。)」
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