close

 バンビ「(これをこうして......
     うん、よしっ。間に合ったみたい!)」

  琥 一「おぅ、どうだ?」

 バンビ「あ、琥一くん。こっちは平気。そっちは?」

  琥 一「なんとかな。これで俺らはお役ご免だ。」

 バンビ「じゃあ、あとはゆっくり見物するだけだね。」

  琥 一「そういうこった。」

  放 送「これより、はばたき学園、学園演劇を開演いたします。」

 バンビ「とうとう始まるんだね......」

  琥 一「来い、裏方は消えようぜ?」

 

(..................)

 

 ロミオ「あなたは知らないでしょう?
     三日前、橋の上で、僕らは出会いっています。」

ジュリエット「知っているわ。あなたは川面を見ていた......」

 バンビ「(いい感じ。お客さんも聞き入ってるし......)」

  琥 一「よぉ。」

 バンビ「あ、琥一くん。」

  琥 一「どんな感じだ?」

 バンビ「今のところ大成功だよ?」

  琥 一「へぇ......」

 ロミオ「僕はあれから、ずっとあなたに焦れつづけていました。」

ジュリエット「そんな、お世辞なんて......」

 ロミオ「お世辞じゃない!」

  琥 一「......なぁ、オマエもやっぱり、
      ああいう台詞、言われてみてぇのか?」

 バンビ「それは、もちろん、うれしいと思うよ?
      恥ずかしいかもしれないけど。」

  琥 一「ハァ......なるほどねぇ。」

 ロミオ「あぁ、その幸せ者を殴ってやりたい!」

  琥 一「お、それなら、俺もできそうだな。」

 バンビ「もう......茶化しちゃダメだよ。
      二人は命がけで恋してるんだから。」

  琥 一「そうだな。
      歯の浮くような台詞も命がけだから言えんのかも知れねぇな。」

  琥 一「少しは俺も、見習うか......」

 バンビ「?」

  琥 一「いや?なんでも?」

ジュリエット「その人の名を口に出さなくてはだめ?」

 ロミオ「いいえ。もし、その答えが僕の望みと同じならば。
     この唇を咎めないで......」

  琥 一「クッ......悪ぃ。
      やっぱり俺は一生ロミオにはなれそうにねぇよ。」

 バンビ「(......琥一くん?)」

arrow
arrow
    文章標籤
    ときメモ 心跳回憶 GS3
    全站熱搜

    篠崎りん 發表在 痞客邦 留言(0) 人氣()