琉 夏「あのバンドさ、今日は出なかった。
    暴れすぎたから出してもらえないのかな?」

バンビ「【ちょっとやり過ぎだったよね?】」

琉 夏「そっか。 まあ、そうかもな。」

バンビ「琉夏くん、どうかした?」

琉 夏「あのバンド、無茶苦茶やって、客はみんな引いてたけどさ、
    俺、わかる気がしたんだ。」

琉 夏「バカやって、怖がれたり、邪魔者扱いされたほうがいい。
    あぁ、やっぱりこっちが俺の居場所だって――」

バンビ「琉夏くん......」

琉 夏「一度そういう気持ちになると、自分を抑えられなくなる。」

バンビ「でも、そんなの、ヒーローらしくないよ。」

琉 夏「バンドの話だよ。」

バンビ「(琉夏くん......)」

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琉 夏「......なんか俺たちさ、注目浴びてる?」

バンビ「【ごめん☆セクシー過ぎちゃった】」

琉 夏「いや、まあ、セクシーはちょっと置いといて。」

バンビ「ウフン♡」

琉 夏「............」

バンビ「ん?琉夏くん?」

琉 夏「え? いや、べつに。」

琉 夏「ほら、冷えるからパーカー着ろよ。」

バンビ「大丈夫だよ?」

琉 夏「こっちがダイジョウブじゃないって......」

バンビ「(......?)」

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琉 夏「メリーゴーランド、俺らの他、誰も乗ってなかったな?」

バンビ「【やっぱり人気無いんだね?】」

琉 夏「そう?ホントはみんな乗りたいんじゃないか?」

バンビ「そうなの?」

琉 夏「たぶんね?照れてるんだ。
    心の中ではみんな、大好きな人と乗りたいくせに。」

バンビ「うん......そうかもしれないね?」

琉 夏「○○ちゃん、俺は、そうだよ。」

バンビ「うん、そっか。」

琉 夏「やれやれだ。」

バンビ「(......?)」

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 バンビ「(ふっ......なんとか間に合ったみたい......)」

  ???「どんな感じ?」

 バンビ「あ、琉夏くん。どこ行ってたの?」

  琉 夏「プラプラ見てた。」

 バンビ「もう......ちゃんと手伝った?」

  琉 夏「手伝ったよ?」

 バンビ「......本当?」

  琉 夏「ホント、ホント。」

  放 送「これより、はばたき学園、学園演劇を開演いたします。」

  琉 夏「ほらね、無事に始まった。」

 バンビ「(もう......でもみんな焦ってないし、いいのかな?)」

 

 (..................)

 

ジュリエット「月の女神様、
      どうか気まぐれに、わたしのロミオをここへ......
      !! そこにいるのは、誰!?」

 ロミオ「あなたのロミオです。月に誘われてきました。」

 バンビ「(うん、二人ともいい感じ!)」

  琉 夏「どう?」

 バンビ「あ、琉夏くん!これから丁度、名シーンだよ?」

  琉 夏「うん、ホントだ。」

ジュリエット「でも、でも!
      見つかったらあなたは殺されてしまう!」

 ロミオ「あなたに会えたから、悔いはありません。
     いつ死んだって構わない。」

 バンビ「ロミオってすごいな......
      殺されちゃうかもしれないのに会いに来るなんて。」

  琉 夏「ああ。でも、ジュリエットがそうさせたんだ。
      ほら、ここ。」

 ロミオ「あなたの言葉が、
     僕を生きる希望で満たすのです!」

 バンビ「うん......二人とも、すごく情熱的だよね?」

  琉 夏「でもロミオはね、
      きっとジュリエットに
      出会うまで生きてる感じがしなかったんだ。」

 バンビ「そう言えば、
      ジュリエットに出会うまで、軽薄な感じだった。」

  琉 夏「でも、変われた。
      ......そうだろ?」

 バンビ「うん、だから世界中の恋人の憧れになったんだね?」

  琉 夏「やっぱり、ジュリエットやりたかった?」

 バンビ「うん......ちょっとね?」

  琉 夏「じゃあ、ここから、聞いてて。」

 バンビ「......?」

ジュリエット「待って、恋人同士の
      お別れの言葉を思い出せない......」

  ロミオ「それでは、思い出すまでここに居ましょう。」

ジュリエット「じゃあ、思い出さない。
      ......ああ、意地悪をして、
      ずっとあなたを帰したくない。」

 ロミオ「あなたのかごの鳥になれたら......
     きっと明日、夢の続きをみよう。」

  琉 夏「憶えた?」

 バンビ「う、うん、だいたいだけど......」

  琉 夏「よし。」

 バンビ「......?」

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バンビ「(ハァ......今日はずいぶん遅くなっちゃったな......)」

バンビ「あっ、琥一くん。」

琥 一「よぉ、そろそろ上がんだろ?」

バンビ「うん、そのつもり。」

琥 一「乗ってけ。送ってやる。」

バンビ「ありがとう――あれ、
     もしがして、帰り、待っててくれたの?」

琥 一「あ?そりゃオマエ...... たまたまだろ。」

バンビ「ふぅん......」

琥 一「ほら、いいから。行くぞ。」

 

(..................)

 

琥 一「危なぇから、もっと、しっかり掴まれ!」

バンビ「はい!」

琥 一「もっとだ!」

バンビ「これでどうだ! ギューーッ!」

琥 一「バッーーオマエ!!」

 

(..................)

 

琥 一「............」

バンビ「琥一くん、送ってくれてありがとう!」

琥 一「オマエなぁ......時と場合によっちゃ生き死ににかかわんぞ......」

バンビ「ゴメンなさい......」

琥 一「わかってねぇんだよな?
    こりゃ、命がいくつあっても足んねぇな......」

琥 一「行くわ。夜風で頭冷さねぇと......」

バンビ「(琥一くん?)」

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琉 夏「なぁ、俺たちさ、
    これからも毎年この町の花火、見てるのかな?」

バンビ「【もう三年生だもんね......】」

琉 夏「そっか。二人で花火見るの、もう三度目?」

バンビ「うん、そうだね。」

琉 夏「俺さ......オマエの三年間、もらうのにふさわしい奴だった?」

バンビ「急に、どうして?」

琉 夏「オマエの横にいて
    恥ずかしくないヤツになりたいよ、俺。 ホントだ。」

バンビ「琉夏くん......」

琉 夏「今のその気持ちは、ゼッタイ本当のことだ。 だから......」

琉 夏「来年の今は、
    隣にいられるかわからないけど、そのことは忘れないで。」

バンビ「......うん。」

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琉 夏「ここも観光客が増えだな......
    俺さ、観光客って水着で当てられる。」

バンビ「【都会っぽい男の子とか?】」

琉 夏「あぁ、ひ弱でダセェ感じの?」

バンビ「カッコいい人だっているよ?」

琉 夏「でもさ、ナンパだろ?アイツらの目的は。」

バンビ「そんなこと、わからないよ。」

琉 夏「どいつだよ、それ?」

バンビ「え?」

琉 夏「ぶっ飛ばす。」

バンビ「(琉夏くん、もしかして、妬いてる?)」

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琉 夏「あ、次、俺の番か。なんか歌って欲しいのある?」

バンビ「【デュエットして欲しいな♡】」

琉 夏「......デュエットね?」

バンビ「ダメ?」

琉 夏「ダメじゃないけど......」

バンビ「けど?」

琉 夏「あんまり入れこんでくっつくなよ?」

バンビ「あ、バカップルみたいでイヤ?」

琉 夏「そんなのはいいけどさ、
    俺、オマエが思ってるより男だから、きっと。」

バンビ「(ちょっと、ドキドキしてきた......)」

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バンビ「もうすぐ夏休みだね?琥一くんは何か予定ある?」

琥 一「バイトだ。」

バンビ「生活大変だもんね......実家には帰らないの?」

琥 一「まあ、一度くらいはな。ルカの野郎を連れてかねぇと。」

バンビ「そっか。苦労だ絶えないね?」

琥 一「まあな。 ハァ......
    たまにはこう、1人でパッと遠出でもしてぇなぁ......」

バンビ「そうしなよ!バイクで出かけてみたら?」

琥 一「そうだ、路面が熱くなってきたからな、
    オイルとタイヤ変えねぇと......」

バンビ「(苦労性なんだね......)」

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バンビ「もうすぐ体育祭だね?」

琉 夏「そうそう。」

バンビ「............」

琉 夏「ん?」

バンビ「ホントにわかってる?」

琉 夏「わかってる。体育祭だろ?」

バンビ「うん......じゃあ、琉夏くん、どんな競技に出るの?」

琉 夏「え、俺?」

バンビ「うん。」

琉 夏「俺は......あれ。ほら、棒の......」

バンビ「”棒倒し”なんて無いよ?」

琉 夏「じゃない方の...... ほら、飛ぶ感じの。」

バンビ「”棒高跳び”も無いよ?」

琉 夏「じゃあ、突いちゃえ。エイ、とか言って。」

バンビ「もう!ちゃんと参加しなきゃダメだよ!?」

琉 夏「はぁい。」

バンビ「(大丈夫かな......)」

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