バンビ「もうすぐ冬休みだけど、ミヨはどうするの?」

宇賀神「山に行きたい。」

バンビ「へえ、ちょっと意外。
     あ、スキーが好きとか?」

宇賀神「ううん、嫌い。滑れないもん。」

バンビ「そっか...... じゃあ、山に何しに行くの?」

宇賀神「星見に。」

バンビ「あ、そっか!」

宇賀神「冬の星は、特に好き。
    空気も澄んでて、キレイだし。」

バンビ「(楽しそうだな......)」

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バンビ「そういえば、もうすぐ体育祭だね。」

宇賀神「............」

バンビ「......ごめん、こんな話して。」

宇賀神「今年もやろうかな。成功したことないけど......」

バンビ「何を?」

宇賀神「雨乞い。」

バンビ「(なるほど......)」

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バンビ「ちょっと聞きたいんだけど、いい?」

琥 一「ダメでも聞くんだろーが?」

バンビ「そうなんだけど......
     兄弟の間で相手が恋してたら、わかっちゃうもの?」

琉 夏「俺、わかる。」

琥 一「ウソつけ。」

琉 夏「わかるね。コウは恋してる。」

バンビ「そうなの!?」

琥 一「はぁ!?バカか、テメェは?」

琉 夏「やっぱな。図星だと、コウは声が裏返る。ラブラブだ。」

琥 一「ラブ―― バカ、たまたまだ!」

琉 夏「ほら、まただ。」

琥 一「テメェな......自分のこと棚に上げんのも大概にしとけ?」

バンビ「琉夏くんも......」

琉 夏「えっ? いや、俺はほら、恋に恋するタイプだから。」

琥 一「ヘッ、苦しいな、おい?」

琉 夏「コウもな?」

バンビ「......?」

琉 夏「ここは一旦、ドローってことで。」

琥 一「飲んだ。」

バンビ「(??? なんなのよ......)」

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バンビ「ねぇ、男女の友情って、あるのかな?」

琉 夏「あるのかな、コウ?」

琥 一「メンドクセーからパス。」

バンビ「じゃあ、2人ともいつか結婚したら、
     相手のお嫁さんとは、友達になりたい?」

琉 夏「あぁ、そういうこと。
    そいうことなら、 な、コウ?」

琥 一「メンドクセーからパス。」

バンビ「もう......よくわかんないなぁ。」

琉 夏「わかんない方がいいこともあるんだ。 な、コウ?」

琥 一「メンドクセーからパス。」

琉 夏「じゃあ俺もパス。」

バンビ「(なんかはぐらかされちゃった......)」

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バンビ「ねぇねぇ、兄弟の間でも、男の友情って感じるもの?」

琉 夏「あぁ、友情ね......えぇと、コウにパス。」

琥 一「あ?なんだ、友情だ?そんなもんオマエ......ねーよ。」

バンビ「無いの!?」

琉 夏「まあ、一緒に育ってるから、
    あんまりそういう風には なぁ?」

琥 一「おぅ、つーかオマエ、気持ち悪ぃ質問すんな。」

バンビ「でもさ、2人はすごく仲がいいでしょ?」

琉 夏「そんなことないだろ。 なぁ、コウ?」

琥 一「そうだぞ?何ならコイツ、ぶん殴るって見せるか?」

バンビ「(2人とも、なんか照れてるみたい......)」

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バンビ「送ってくれてありがとう。」

琥 一「あぁ。 ............」

バンビ「琥一くん、どうかした?」

琥 一「......受け取れ。」

バンビ「えっ、これって......」

琥 一「今日だろ。」

バンビ「今日?」

琥 一「バカ、オマエの誕生日のこと言ってんだ。」

バンビ「あ......覚えててくれたんだ!」

琥 一「ま、会ったついでだ。」

バンビ「ありがとう、大切にするね。」

琥 一「大げさなんだよ。 じゃあよ?」

バンビ「(琥一くん......)」

バンビ「(今日はすてきな誕生日だったな......)」

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バンビ「琥一くん、春休みはどうする予定?やっぱりバイト?」

琥 一「おいおい、見くびるんじゃねぇよ。」

バンビ「あ、なんか予定があるの?」

琥 一「まあな。」

バンビ「どこかに出かけるとか?」

琥 一「まあな。」

バンビ「どこどこ?」

琥 一「単車の集まりがあってよ、ちっと遠出だ。」

バンビ「......え? それってもしかして......」

琥 一「馬鹿、そんなんじゃねぇよ。
    同じ単車乗ってんのが 集まんだよ。
    まあ、趣味の集まりだ。」

バンビ「へぇ......集まって何するの?」

琥 一「テメェの単車自慢して、そんで、サーキットに出たりな?」

バンビ「本格的だね。琥一くんも出るの?」

琥 一「俺は整備だ。走んのはルカに任せてる。
    アイツは馬鹿みてぇに速ぇからな。」

バンビ「そっか、うん。」

琥 一「......なんだよ?」

バンビ「兄弟仲がいいなぁ、と思って。」

琥 一「バ―― 気持ち悪ぃこと言うんじゃねぇよ。」

バンビ「(ふふっ、琥一くん照れてる)」

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不二山「もうすぐ卒業だな。」

バンビ「うん。」

不二山「......俺。はば学来て良かった。」

不二山「今ならわかる。よその学校じゃダメだった。」

不二山「はば学に来て、会うべきヤツに会った。
    間違ってなかったんだ。 誰も。」

バンビ「不二山くん。」

不二山「あと少しだけど......よろしくな。」

バンビ「(不二山くん......)」

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琉 夏「楽しそうだな?こっちの気もしらないで。」

 

【知ってるよ?】

琉 夏「ウソ......
    俺、スゲェこと考えちゃってるけど...... そのこと?」

【こっちの気って?】

琉 夏「引くから言わない。いつかは、正直に話しさなきゃだけどね?」

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琉 夏「俺、ちょっと2階で片付けなきゃならないことがある。」

バンビ「【どうしたのカッコつけて?】」

琉 夏「ここからちょっと、男の世界だからね?」

バンビ「男の世界?」

琉 夏「いや、ピンボールでハイスコア取るだけ。」

バンビ「ハイスコアか......わたしも狙ってみようかな?」

琉 夏「多分無理。点がスゴイことになってるから。」

バンビ「そっか。 ふぅん......」

琉 夏「来いよ。やり方教えてやる。」

バンビ「ホント!?」

琉 夏「だって、そんな顔されたら......
    もう、ハイスコアなんてどうでもいいや。
    ほら、来い。」

バンビ「よーし、がんばろう!」

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