バンビ「(ふっ......なんとか間に合ったみたい......)」
???「どんな感じ?」
バンビ「あ、琉夏くん。どこ行ってたの?」
琉 夏「プラプラ見てた。」
バンビ「もう......ちゃんと手伝った?」
琉 夏「手伝ったよ?」
バンビ「......本当?」
琉 夏「ホント、ホント。」
放 送「これより、はばたき学園、学園演劇を開演いたします。」
琉 夏「ほらね、無事に始まった。」
バンビ「(もう......でもみんな焦ってないし、いいのかな?)」
(..................)
ジュリエット「月の女神様、
どうか気まぐれに、わたしのロミオをここへ......
!! そこにいるのは、誰!?」
ロミオ「あなたのロミオです。月に誘われてきました。」
バンビ「(うん、二人ともいい感じ!)」
琉 夏「どう?」
バンビ「あ、琉夏くん!これから丁度、名シーンだよ?」
琉 夏「うん、ホントだ。」
ジュリエット「でも、でも!
見つかったらあなたは殺されてしまう!」
ロミオ「あなたに会えたから、悔いはありません。
いつ死んだって構わない。」
バンビ「ロミオってすごいな......
殺されちゃうかもしれないのに会いに来るなんて。」
琉 夏「ああ。でも、ジュリエットがそうさせたんだ。
ほら、ここ。」
ロミオ「あなたの言葉が、
僕を生きる希望で満たすのです!」
バンビ「うん......二人とも、すごく情熱的だよね?」
琉 夏「でもロミオはね、
きっとジュリエットに
出会うまで生きてる感じがしなかったんだ。」
バンビ「そう言えば、
ジュリエットに出会うまで、軽薄な感じだった。」
琉 夏「でも、変われた。
......そうだろ?」
バンビ「うん、だから世界中の恋人の憧れになったんだね?」
琉 夏「やっぱり、ジュリエットやりたかった?」
バンビ「うん......ちょっとね?」
琉 夏「じゃあ、ここから、聞いてて。」
バンビ「......?」
ジュリエット「待って、恋人同士の
お別れの言葉を思い出せない......」
ロミオ「それでは、思い出すまでここに居ましょう。」
ジュリエット「じゃあ、思い出さない。
......ああ、意地悪をして、
ずっとあなたを帰したくない。」
ロミオ「あなたのかごの鳥になれたら......
きっと明日、夢の続きをみよう。」
琉 夏「憶えた?」
バンビ「う、うん、だいたいだけど......」
琉 夏「よし。」
バンビ「......?」