設 楽「わっ、つむじ風だ!」
紺 野「............」
バンビ「......どうしたんですか?紺野先輩。」
紺 野「あっ! いや、君の髪に花びらが......ついに見とれちゃった。」
設 楽「わっ、つむじ風だ!」
紺 野「............」
バンビ「......どうしたんですか?紺野先輩。」
紺 野「あっ! いや、君の髪に花びらが......ついに見とれちゃった。」
紺 野「今年も綺麗に咲いたな。」
バンビ「はい。すごく綺麗!」
設 楽「おまえ、ほんとボキャブラリー貧困だな。」
バンビ「じゃあ、えっと...... 言葉にできないくらい綺麗!」
設 楽「考えてもそれか。」
紺 野「設楽。なんでパラソルから出ないんだ?」
設 楽「日焼けするのが嫌なんだよ。あとでかゆくなるから。」
紺 野「じゃあ日焼け止め貸すよ。
僕が塗ってやろうか? 遠慮するな。」
設 楽「はあ!?やだよ、気持ち悪い。
貸せ、自分で塗るから。」
バンビ「(楽しそう......)」
バンビ「紺野先輩、何やってるんですか?」
紺 野「砂の城を作ってるんだ。」
バンビ「ふふっ、わたしも一緒に作っていいですか?」
紺 野「いいけど......それより、みんなで作って勝負しようよ。」
設 楽「みんなって、俺もかよ......」
バンビ「パラソルも設置したし。荷物も置いて、さあ泳ぎましょう!」
設 楽「海に来たからって、泳がなきゃいけないわけじゃない。」
紺 野「ほら、行くぞ。駄々こねるな。」
設 楽「ああもう、わかったよ。おまえだって、泳ぐの苦手なくせに。」
バンビ「(ちょっと申し訳ないかも......)」
設 楽「静かだな......」
バンビ「あ!見てください、おっきい犬!」
紺 野「ほんとだ!ちょっと遊ばせてもらうか。 ほら、設楽も行こう。」
設 楽「はあ......わかったよ。
行けばいいんだろ。俺が一番に触るからな。」
紺 野「絵になる場所だよなあ。でもこんな風景、設楽は見慣れてるか。」
設 楽「ああ、ヨーロッパでな。
ただあの頃は、こんな風に散歩することはなかった......」
バンビ「設楽先輩......」
設 楽「おまえには感謝してる。 ......少しだけな。」
紺 野「やっぱり、設楽は君といると素直になるみたいだ。」
紺 野「意外と良かったな。あまりうるさくなかったし、いい曲だった。」
バンビ「ですよね。設楽先輩はどうでした?」
設 楽「つまらなかったら、すぐに帰ってる。」
紺 野「素直に良かったって言えばいいのに。」
設 楽「......悪くはなかった。」
設 楽「なあ。これ、有名なバンドなのか?」
バンビ「うーん、まだデビューしたばかりですから......」
紺 野「どうした、なにか気になるのか?」
設 楽「......この連中、これから売れるぞ。」
紺 野「設楽のお墨付きなら、間違いなさそうだな!」
バンビ「設楽先輩、すごい!英語で歌えるなんて、かっこいいですね!」
設 楽「有名な曲だ。別にすごくない。」
紺 野「これで英語の成績は普通なんだから、面白いよな。」
設 楽「うるさいな......お前こそ成績いいくせに、発音はイマイチだぞ。」
紺 野「う......上手くいかないもんだな。」