バンビ「本を返却っと......」

設 楽「別にいいだろ、どういう読み方したって。」

紺 野「良くないよ。面白さが半減するだろ。」

バンビ「(あ、設楽先輩と紺野先輩だ)」

バンビ「どうしたんですか?」

設 楽「......なんだ、おまえか。」

設 楽「どうもしない、本を返しに来ただけだ。」

紺 野「設楽、後輩にそういう言い方はよくない。」

設 楽「何先輩面してんだよ。」

紺 野「設楽だって威張った様な態度で......」

バンビ「あのー......」

紺 野「ああ、ごめん。」

設 楽「..................」

紺 野「それがさ、設楽が本はあとがきから読むって言うんだ。」

バンビ「はぁ......」

設 楽「それはどこが悪いんだ。おまえに迷惑かけてるわけじゃないだろ。」

紺 野「だって結末を先に読むようなもんじゃないか。信じられない。」

バンビ「ミステリーなんかだと犯人が書かれてることも......」

紺 野「だよなぁ。その通りだよ。」

設 楽「おまえは関係ないだろ。なんで紺野の味方するんだ。」

バンビ「そ、そんなつもりは......」

紺 野「設楽、後輩にそういう言い方はよくない。」

設 楽「何先輩面してんだよ。」

バンビ「(ループだ......)」

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バンビ「波の音が聞こえる......」

琉 夏「どうかした?」

バンビ「ううん、やっぱり素敵な部屋だなと思って。」

琉 夏「だろ? そろそろ送ってくから、支度して?」

バンビ「ねぇ......もうちょっといちゃ、ダメ?」

琉 夏「いいよ、もちろん。」

バンビ「やった!」

琉 夏「その代わり、夕ご飯の支度させちゃうよ?」

バンビ「いいよ?それくらい。」

琉 夏「じゃあ、部屋の掃除もだ。」

バンビ「ふふっ!してあげるよ?」

琉 夏「それじゃあ......」

琉 夏「明日の朝、コーヒー淹れて。もちろん、この部屋に泊まって。」

バンビ「......えっ?」

琉 夏「今晩さ、コウは実家に泊まるんだって。
    だから、ちょうどよかった。」

バンビ「あの、わたし......」

琉 夏「どうした?ここに居たいなら いつでもOKだよ?」

バンビ「ゴメンなさい......」

琉 夏「......そんな、顔しなくてもいいよ。冗談だから。」

バンビ「えっ!? もう......ビックリした!」

琉 夏「ほら、早く行こう。支度して。」

 

(..................)

 

バンビ「ありがとう、送ってくれて。」

琉 夏「うん、あのさ......」

バンビ「......?」

琉 夏「いつでもOKってのは、冗談じゃないよ?」

バンビ「......琉夏くん。」

琉 夏「オマエはさ、自分が思っている以上に、可愛くて、セクシーで......」

琉 夏「弱いよ。」

琉 夏「それで俺は......オマエが思っている以上に
    ズルくて、乱暴だよ...... 気をつけて。」

バンビ「......はい。」

琉 夏「......いい。」

バンビ「......?」

琉 夏「いまの”はい”って言うの、
    今度は、石ころケリながらやって。”は~い......”って。」

バンビ「もう......」

琉 夏「じゃあね。」

バンビ「うん、バイバイ!」

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バンビ「もうすぐ夏休みだね......琉夏くんはどうするの?」

琉 夏「花屋のバイト。」

バンビ「そっか。 じゃあ、バイト以外の日は?」

琉 夏「バイト入れた。生活に夏休みはないからね。」

バンビ「なんだか世知辛いね......
     もっとこう、楽しいことは?せっかくの夏休みなのに。」

琉 夏「楽しいか...... あ、そうだ、あれ。」

バンビ「なに?」

琉 夏「雨どいの掃除。」

バンビ「......楽しい?」

琉 夏「それがさ、超楽しい。噓だと思ったら、手伝ってみる?」

バンビ「(絶対ウソだと思う......)」

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バンビ「もうすぐ期末テストだね?」

琉 夏「そうだね。」

バンビ「なんか余裕っぽい......すごいなぁ!」

琉 夏「まあね。」

バンビ「琉夏くんって、普段、ぜんぜん勉強しないでしょ?
     どうしてそんなに頭がいいの?」

琉 夏「アタマいい?イカレてるって言われるけど。
    ......まあ、勉強は得意か。」

バンビ「得意っていうのは、やっぱり秘訣がある......とか?」

琉 夏「そんなとこ。」

バンビ「教えて!」

琉 夏「ぜんぜんダメ。 もっとカワユク、こう、首をかしげて。」

バンビ「............」

琉 夏「どうぞ。」

バンビ「......教えて♡」

琉 夏「いい......もう一回。」

バンビ「もう!」

琉 夏「しょうがない。
    授業中って大抵ひまだろ?その時に教科書を全部読んじゃうんだ。」

バンビ「全部?」

琉 夏「そう。先に全部覚えちゃう。そうすると、大体いい点取れるよ?」

バンビ「まあ、それが出来る人は、そうだろうね......
     じゃあ、数学は?」

琉 夏「数学? あぁ、あれは......なんとなく出来ちゃう。」

バンビ「今のところ、ぜんぜん秘訣じゃないよ......
     じゃあ、現国は?暗記してもダメでしょ?」

琉 夏「そう。だから、いつも赤点。」

バンビ「(ちゃんと勉強しよう......)」

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バンビ「琥一くん、もう冬休みの予定は立てた?」

琥 一「なもんねぇよ。バイトだ、バイト。
    朝から晩まで人様のクルマ洗うんだよ。」

バンビ「そっか。年末年始は洗車のシーズンなんだね。」

琥 一「どいつもこいつも、テメェのクルマくらい、テメェで洗やいいのによ。」

バンビ「でも、それじゃ琥一くんの仕事が無くなっちゃうよ?」

琥 一「まあな。ハァ......世の中ままならねぇな。」

バンビ「ふふっ、そう言えば、お正月は実家に行くの?」

琥 一「除夜の鐘までバイトで、それからルカ拾って、そのまま行く。」

バンビ「じゃあ、家族揃ってお正月だね?」

琥 一「だといいけどよ。
    あの野郎、またとぼけるつもりじゃねぇだろうな......」

琥 一「おい、大晦日にルカの野郎見かけたら、
    その辺に縄で縛りつけとけよ?」

バンビ「大げさだなぁ......」

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バンビ「もうすぐ期末テストだね?」

琥 一「チッ、いちいち報告すんじゃねぇ。わかってんだよ、なことは。」

バンビ「威張ってたって、点はとれないよ?ちゃんと勉強しなきゃ。」

琥 一「ハッ、知るか。赤点上等だ、コラ。」

バンビ「留年......しちゃうかもよ?」

琥 一「だったらどうした、面白ぇじゃねぇか。」

バンビ「......うん、面白いかも。」

琥 一「あぁ?」

バンビ「そっか、琥一くんは、琉夏くんとわたしの後輩になるのか......」

琥 一「............」

バンビ「ちゃんと、先輩って呼ばなきゃダメだよ?」

琥 一「あぁ......そう言えばオマエよ。」

バンビ「?」

琥 一「ノートとか取ってんだろ? ちょっと、貸せ。」

バンビ「何のノート?」

琥 一「いま持ってんのでいいから、ほら、貸せ。」

バンビ「(ちょっとは勉強する気になったのかな?)」

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バンビ「送ってくれてありがとう。」

不二山「べつに。 ............」

バンビ「ん、どうかした?」

不二山「これ、やる。」

バンビ「えっ?」

不二山「おまえ、今日誕生日なんだろ?」

バンビ「あ、うん。 もしかして、覚えててくれたの?」

不二山「まあな。ちょうど会う日でよかった。」

バンビ「ありがとう、不二山くん。」

不二山「どういたしまして。 じゃあな。」

バンビ「(嬉しい......!今日はステキな誕生日だったな......)」

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バンビ「(ふぅ、なんとか間に合った......)」

不二山「疲れた......」

バンビ「あ、不二山くん。手すり、大丈夫だった?」

不二山「うん。なんとか直った。」

不二山「あんなに脆い造りで大丈夫なんか?あれ。
    ちょっと叩いたくらいでバキッはねーよ。」

バンビ「......ちょっと?」

不二山「ちょっとだ。 ......ん?違ったか?」

放 送「これより、はばたき学園、学園演劇を開演いたします。」

バンビ「あ、始まるよ!」

不二山「おう。少しゆっくりできるな。」

 

(..................)

 

バンビ「あ、不二山くん。お帰りなさい。」

不二山「ただいま。」

近 藤「総司!」

沖 田「近藤先生っ......ゲホッ、ゲホッ!申し訳、ありません。」

近 藤「いい、じゃべるな。」

不二山「............」

不二山「このあとからどんどん弱ってくんだっけ。こいつ。」

バンビ「うん......」

不二山「新撰組の仲間、以外に心の支えになるようなヤツっていたんかな。」

バンビ「心の支え?」

不二山「うん。例えば、俺にとってのおまえみたいな。」

バンビ「えっ......」

近 藤「立てるか?」

沖 田「は、い......」

不二山「歴史上の人物で、本当はどんな人なんかはわかんねーけど。」

不二山「そういうヤツがいなかったんだとしたら......ツレェよな。」

バンビ「不二山くん......」

不二山「第一幕、終了か。 あっち、行ってくる。」

バンビ「うん。」

バンビ「(不二山くん......)」

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バンビ「不二山くん、もうすぐ誕生日だったよね。」

不二山「人の誕生日、覚えてんのか。すげーな。」

不二山「そういうの苦手。親のも覚えてねーもん。」

バンビ「そっかぁ......」

不二山「でも、1人分だったら覚えられると思う。」

不二山「あとで教えろよ。おまえの誕生日。」

バンビ「(ひょっとして、気を遣ってくれたのかな?)」

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バンビ「もうすぐ夏休みだけど、なにか予定ってある?」

不二山「柔道とバイトと、あと......そうだ、ドリル。」

バンビ「ドリル?」

不二山「うん。大迫先生から渡された。俺用特別ドリル。」

バンビ「えっ、もう?」

不二山「夏休み入ったら柔道とバイト三昧だろうから
    今からやっとけって。」

バンビ「ふふっ、先生、お見通したね?」

不二山「だな、世話になりっぱだ。ちゃんとやんねーと。
    ............」

バンビ「どうしたの?」

不二山「手伝い募集中。 おまえ、いつヒマ?」

バンビ「(ちゃんとって言ったそばから......)」

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