バンビ「そろそろ期末試験だね。準備してる?」
不二山「準備してる、振りしてる。」
バンビ「振り?」
不二山「そう。親がうるせーから。」
バンビ「ということは、実際は......」
不二山「校内の成績悪くっても
はば学に通ってるってだけで安心してるから問題ねーよ。」
不二山「進路の話になったらわかんねーけど。」
バンビ「(何か事情があるのかな......)」
バンビ「そろそろ期末試験だね。準備してる?」
不二山「準備してる、振りしてる。」
バンビ「振り?」
不二山「そう。親がうるせーから。」
バンビ「ということは、実際は......」
不二山「校内の成績悪くっても
はば学に通ってるってだけで安心してるから問題ねーよ。」
不二山「進路の話になったらわかんねーけど。」
バンビ「(何か事情があるのかな......)」
新 名「弟が、アンタと話をさせろって うるさくてさ......」
バンビ「【わたしも話してみたい!】」
新 名「ダメ。」
バンビ「どうして?」
新 名「アイツまでライバルに加わるとかになったら目も当てらんねぇし。」
バンビ「ライバル?」
新 名「そ、ライバル。
兄弟はね、似てるんです。いろいろと。わかるでしょ?」
バンビ「うーん......?」
新 名「ハァ。とにかくダメ。この話終了!」
バンビ「もうすぐ冬休みだね。新名くん、ご予定は?」
新 名「スノボ。ボード新調したから、滑り倒すぜ。」
バンビ「そうなんだ。新調したのはボードだけ?」
新 名「ホント言うとウェアも買い換えたいトコだけど......」
バンビ「やっぱりこだわりがあるの? デザインとか、流行とか。」
新 名「まあ、そこ言い出したら毎年換えてぇよ?
でも、ンなこと言ってたら財布が持たねぇじゃん?」
新 名「ま、着てるオレが工夫すれば、
それなりに見えるって話だな。節約節約。」
バンビ「(意外としっかりしてるなぁ)」
バンビ「そろそろ期末試験だね。準備してる?」
新 名「まあ、そこそこ。はば学の先生方は意地悪くねぇから
ある意味、楽なんだよな。」
バンビ「意地が悪くない?」
新 名「うん。問題の出し方が素直ってか、傾向さえ掴めちゃえばラク。」
新 名「てか、もうそんな時期か。
そろそろひとに見せる用ノート作んないとヤバイかも。」
バンビ「(人に見せる用ノートって......
新名くんって、ひょっとして頭いい?)」
バンビ「たまちゃん。」
紺 野「わっ...... どうかした?」
バンビ「わたし、今日は帰りたくないなぁ。」
紺 野「ええっ!?」
バンビ「たまちゃんと一緒にいると
すごく楽しいんですもん。 ね?」
紺 野「だ、駄目だよ。家族もいるんだし......」
バンビ「ふふ、いるから言ってるんですよ?」
紺 野「そうか、そうだよな!
何を言ってるんだ僕は......」
バンビ「じゃあ、このまま紺野家の子になっちゃおっと。」
紺 野「えっ、それは駄目。僕の妹ってことだろ? それじゃ......」
バンビ「......それじゃ?」
紺 野「......とにかく駄目。そういうのは今度。」
バンビ「お兄ちゃん♡」
紺 野「..................」
紺 野「......はっ! 駄目ったら駄目!」
バンビ「ふふっ♡」
バンビ「ふふ♡」
紺 野「ん?どうかした?」
バンビ「この部屋、紺野先輩のにおいがします。」
紺 野「えっ......そ、そう?」
バンビ「はい♡」
紺 野「はは......まあ、ゆっくりしていって。 のどは渇かない?」
バンビ「ううん、大丈夫です。」
紺 野「お腹は......」
バンビ「何もいりません。紺野先輩さえいてくれたら、それで......」
紺 野「えっ......」
バンビ「..................」
紺 野「ま、まいったな......」
バンビ「紺野先輩も座ってください。さっきから立ちっぱなし。」
紺 野「なんとなく落ち着かなくてさ。
君がいるだけで自分の部屋じゃなくなったみたいで......」
バンビ「ちゃんと紺野先輩に部屋ですよ?」
紺 野「そうか。 じゃあ、座るぞ!」
バンビ「ふふ、紺野先輩ったら♡」
バンビ「すみません、わざわざ送ってもらっちゃって......」
紺 野「うん、まぁ、僕の都合でもあるし。」
バンビ「?」
紺 野「なかなか渡すタイミングがつかめなくてさ。
その...... これ、誕生日のプレゼント。」
バンビ「わぁ、覚えててくれたんですね!」
紺 野「もちろん。誕生日を知ったときからずっと覚えてた。」
バンビ「ふふ、変なの。」
紺 野「はは。 とりあえず、タイミングを失わずに済んでよかった。」
紺 野「誕生日おめでとう。 それじゃ。」
バンビ「紺野先輩、もうすぐ卒業しちゃうんですね。」
紺 野「あっという間だったな......」
バンビ「早かったですか?」
紺 野「振り返ってみるとね。
君と会ってから、ますます早くなった気がする。」
バンビ「え、どうして?」
紺 野「楽しい時間が増えたからかな。
君は僕を笑わせるのがうまいから。」
紺 野「こんな風に一緒に帰るのも、あと少しなんだな......」
バンビ「(......うう、卒業式前に泣いちゃいそう)」
紺 野「もうすぐ修学旅行だったよね?」
バンビ「はい。」
紺 野「懐かしいな。もうあれから一年経つのか......」
バンビ「紺野先輩の時はどうでした?」
紺 野「楽しかったよ。
どこへ行くにも混んでて、予定通りに回れなかったけど。」
バンビ「修学旅行シーズンですもんね。」
紺 野「そう。問題はいろんな高校の生徒がいるってことなんだ。」
紺 野「君の学年には特に目立つのがいるからね。」
バンビ「うっ......」
紺 野「彼らに伝えておいてくれ。
僕の目がないからってやんちゃな行いは慎むように。」
バンビ「それてなく言っておきます......」
設 楽「さっきからあの仔犬ににらまれてる......なんでだ?」
バンビ「【ラブラブ光線ですね♡】」
設 楽「ラブラブって、おまえ......
たまにそういう突拍子もないこと言うよな。」
バンビ「あの子、こっと設楽先輩のこと好きなんですよ。」
設 楽「俺にはそんなの効かないから無駄だな。」
バンビ「ホントですか?」
設 楽「え?」
バンビ「いくぞ!ラブラブ光線!」
設 楽「............」
バンビ「......どうですか?」
設 楽「全然効かない。」
バンビ「(そうかなぁ......)」