設 楽「......ここなら何度来てもいいな。」
バンビ「【ムードたっぷり♡】」
設 楽「何しに来てるんだ、おまえは......ちゃんと星を見ろ。」
バンビ「もちろん見てましたよ? 星も、設楽先輩も。」
設 楽「は? 俺?」
バンビ「すごく真剣な顔してました。」
設 楽「......勝手に見るな。 仕返しだ、次は俺がおまえを見てやる。」
バンビ「それだとお互い見つめあっちゃうような......」
設 楽「なんでまた俺を見ようとするんだよ。おまえは星を見ろって。」
設 楽「......ここなら何度来てもいいな。」
バンビ「【ムードたっぷり♡】」
設 楽「何しに来てるんだ、おまえは......ちゃんと星を見ろ。」
バンビ「もちろん見てましたよ? 星も、設楽先輩も。」
設 楽「は? 俺?」
バンビ「すごく真剣な顔してました。」
設 楽「......勝手に見るな。 仕返しだ、次は俺がおまえを見てやる。」
バンビ「それだとお互い見つめあっちゃうような......」
設 楽「なんでまた俺を見ようとするんだよ。おまえは星を見ろって。」
バンビ「すみません、送ってもらっちゃって。」
設 楽「......ここまでくると、本当に忘れてるみたいだな。」
バンビ「え?」
設 楽「ほら、プレゼント。......今日誕生日だろ。」
バンビ「わぁ、覚えててくれたんですね!」
設 楽「いつ渡そうかとずっとタイミング計ってたんだ。
おまえ、全然言い出さないから......」
設 楽「あ、これも言い忘れるところだった。
......誕生日おめでとう。」
バンビ「ふふ、ありがとうございます。」
設 楽「はぁ、なにかこうスマートじゃないな......まぁいい、おやすみ。」
設 楽「○○。」
バンビ「あ、設楽先輩。お疲れ様です。」
設 楽「......本当に疲れた。」
バンビ「でも、なんか間に合ったじゃないですか。」
設 楽「当たり前だ。
これで間に合わなかったら誰に文句言えばいいんだよ。」
バンビ「(文句は言わなくてもいいと思うけど......)」
放 送「これより、はばたき学園 学園演劇を開演いたします。」
バンビ「あっ、始まりますよ。」
設 楽「幕でも落ちれば面白いのに。」
バンビ「......面白くないです。」
(..................)
作 家「......あなたは自分の道を見つけて、
ちゃんと行く先を知っているのですね。」
女 優「あたしは女優の道を、あなたは作家の道を、
あたしたちは才能という渦巻きの中へ巻き込まれたのよ!」
作 家「それなら愛はどうなります?
あなたを愛することの思いはどこへ行けば良いのでしょう?」
女 優「恋愛はそれだけが目的になったらつまらないわ。
でも、才能は違うの。一途でいなくちゃいけないの!」
設 楽「......何度見ても嫌な劇だな。」
バンビ「そうですか?」
設 楽「そうだよ。才能才能って軽々しく言いやがって。」
設 楽「何が才能に一途に、だ。知らない奴ほど簡単に言う。」
バンビ「設楽先輩......」
バンビ「あの、主役に推薦されてたって聞きましたけど......」
設 楽「あんな名前も知らない女に
すき放題言われる上に振られる役なんて、誰がやるか。」
バンビ「(......才能とは関係ないような......)」
設 楽「......まぁ、おまえが相手ならやってやっても良かったかな。」
バンビ「そうですか?」
バンビ「ふふ、わたしもやりたかったな、設楽先輩を振る役。」
設 楽「へぇ?」
設 楽「じゃあ望み通りに相手をしてやる。
さあやってみろ。今すぐ、ほら。」
バンビ「(うぅ、冗談なのに......)」
バンビ「文化祭まであと少しですね。」
設 楽「だから?」
バンビ「設楽先輩は何やるんですか?」
設 楽「さあ。」
バンビ「クラス出展とか。」
設 楽「......何が聞きたいんだ、おまえ。」
バンビ「だから、文化祭の予定を......」
設 楽「聞いてどうする。遊びにでも来るつもりか?」
バンビ「はい!」
設 楽「誰が言うか。」
バンビ「(......何やるんだろう)」
バンビ「設楽先輩、楽しみにしててくださいね。」
設 楽「なにを?」
バンビ「もうすぐ修学旅行だから、お土産買ってこようかな、なんて。」
設 楽「ああ、もうそんな時期か......」
バンビ「去年のこととか思い出します?」
設 楽「..................」
設 楽「旅館の枕はすべて羽枕にするべきだ。
重いし硬いし痛いし最悪だ。」
バンビ「(......何があったんだろう)」
バンビ「もう少しで文化祭だね。」
琉 夏「文化祭だぞ?サボんな、コウ?」
琥 一「オマエもな?」
琉 夏「ハハハ!」
琥 一「ククッ......」
バンビ「コラ!ちゃんと出なきゃダメだよ!」
琥 一「ウルセーな、たかが文化祭だろーが?」
琉 夏「そうそう。コウと文化は無関係だから。」
琥 一「そりゃオマエだ、オマエ!」
琉 夏「ハハハ!」
琥 一「ククッ......」
バンビ「もう......しょうがない。大迫先生に言いつけよう。」
琥 一「おい、チクんのかよ!」
琉 夏「大迫ちゃんはダメだって!耳引っ張るんだ!」
バンビ「知らない!言いつけよう!」
バンビ「(......と、いうようなことを話しながら下校した)」
バンビ「そういえば、もうすぐ体育祭だね。」
琥 一「そだったか、ルカ?」
琉 夏「知らねー。そうだった?」
バンビ「そうなの!もう......2人ともちゃんと練習に参加してる?」
琥 一「練習ってオマエ、俺らがそんなタマに見えるか?」
琉 夏「俺はしてるよ?練習。」
琥 一「はぁ?マジかよ?」
琉 夏「超マジ。」
バンビ「琉夏くんえらい!なんの練習したの?」
琉 夏「俺?フォークダンス。」
琥 一「なんだそりゃ?ダセェぞ、ルカ。」
バンビ「琥一くん!いいことだよ、ね?」
琉 夏「ね?それにさ......」
琉 夏「サボったり振付覚えて
なかったりたら体育の単位は無いって、大迫ちゃんが......」
琥 一「おぉ!?聞いてねぇそオイ......」
バンビ「(2人とも、本当に大迫先生には頭があがらないんだ......)」
バンビ「もうすぐ期末テストだね。」
琉 夏「だね、コウ?」
琥 一「ウルセー、いちいち確認すんな。」
バンビ「ねぇ、やっぱりテスト前は2人で勉強したりする?」
琉 夏「2人って、俺とコウってこと?」
バンビ「そう。」
琥 一「しねぇだろ......気味悪ぃ。」
バンビ「そんなもんかな。でも、それにしては――」
琥 一「なんだよ?」
バンビ「えぇと...... よく、コウくん、はば学に受かったなぁ、なんて......」
琉 夏「コウはさ、こんなツラしてるけど、スゲェ受験勉強したんだ。な?」
琥 一「ツラは、カンケーねぇだろうが。」
琉 夏「コウはさ、やれば出来る子なんだよ。な?」
琥 一「ウルセー。」
バンビ「(......と、いうようなことを話しながら下校した)」
バンビ「道に落ち葉が舞ってる......秋だなぁ。」
琥 一「クッ......ポエムか、おい。」
バンビ「そうだよ? たまには、いいでしょう?」
琉 夏「ここで一句。」
琥 一「なんで、いきなり......」
琉 夏「”帰り道
落ち葉が舞ってる
まあ、ステキ”。」
琥 一「まんまじゃねーか。」
バンビ「あんまり俳句っぽくないよ?」
琉 夏「じゃ、コウの番。」
琥 一「バカ、やんねーよ。」
琉 夏「やれよ!」
バンビ「はい、どうぞ!」
琥 一「あぁ......
落ち葉が、あぁ......その、夕日で、ほら、アレだ......」
琉 夏「はい、ダメー!」
琥 一「ちっと待て!いいか? 落ち葉が、だな――」
バンビ「(......と、いうようなことを話しながら下校した)」
バンビ「ハァ......日差しが暖かい。春真っ盛りって感じだね?」
琉 夏「眠い......」
琥 一「寝んな。キリキリ歩け。」
バンビ「ふふっ いくらなんでも歩きながらは――」
琥 一「寝るぞ、コイツは。」
琉 夏「うん。寝るね。」
バンビ「......本当に?」
琉 夏「あるじゃん、寝たまま歩くことって。」
琥 一「ねぇよ。」
バンビ「(......と、いうようなことを話しながら下校した)」