琥 一「オイ、大概にしとけ? じゃねぇと俺も......」

 

【男子はガマンして!】

琥 一「ウルセー。俺は男女平等主義だ。」

【やり返してもいいよ?】

琥 一「いいのかよ......
    あ、いや、やんねぇぞ? やんねぇけどよ......」

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バンビ「もうすぐテストだね。」

宇賀神「うん。」

バンビ「余裕だなぁ。ミヨは成績いいもんね。」

宇賀神「テストの結果はあまり気にならない。」

バンビ「え、どうして?」

宇賀神「......バンビ。」

バンビ「なに?」

宇賀神「普通に勉強して、良い成績とれば気にならないよ。」

バンビ「そうですよねー......」

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バンビ「もうすぐ春休みだけど、2人でなにかしないの?」

琉 夏「2人で? なんかあった、コウ?」

琥 一「ねぇだろ、なモン―― あ、そう言えば、
    おい、あれどうするよ?」

琉 夏「あぁ、また招待状来てたっけ。」

バンビ「なになに?」

琉 夏「オヤジの代理で、バイクの集まりに行くかも。」

バンビ「へぇ、いいね!お父さんの代理って?」

琥 一「ガキの頃、休みになるとオヤジと3人で行ってたんだ。」

琉 夏「オヤジ、すっかり歳食っちゃったから、
    最近は俺らに招待状が来る。 コウ、どうする?」

琥 一「行くには構わねぇけどよ......また、寝袋か?」

琉 夏「まあね。俺らビンボーだしね......」

バンビ「(寝袋でツーリングか......いいな、男の子って)」

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バンビ「さてと、お昼も終わったし......ん?」

???「そもそもよ、俺らが急に勉強したくなったって
    おびき出し方から無理なんじゃねぇか?」

???「そこまではいいんだって。逆に意外性があって。」

バンビ「琥一くん、琉夏くん!」

 

琥 一「○○。」

琉 夏「オッス。」

バンビ「何してんの?また失敗の反省会?」

琥 一「ウルセー。」

琉 夏「まあね。デカイ三角定規でケツ叩かれた。」

琥 一「大迫のヤロー、ああ見えて手強いぜ。」

バンビ「ねぇ......バカバカしいからもうやめたら?」

琉 夏「そういうワケには行かないね。」

琥 一「意地ってもんがあんだ。女の出る幕じゃねんだよ。」

バンビ「失礼しました!先に行くよ?」

琥 一「行け行け。」

琉 夏「そんじゃね。」

 

琥 一「なぁ、こうなったらよ、
    いっそもう、羽交い絞めにしてだな――」

琉 夏「ダメだ。ポリシーが反する。あくまで落とさなきゃ。」

バンビ「(付き合いきれません)」

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バンビ「お昼も終わったし 教室に戻ろっと!」

???「違う。コウが先に見つかるから、警戒されたんだ。」

???「そうじゃねぇって。
    あの受け方はよ、なんつーかもう、技だぞ?」

バンビ「(......あれ?琥一くんと琉夏くん)」

 

琉 夏「じゃあやっぱりヒムロッチから習ったんだ、
    黒板消し受けの極意。」

琥 一「なんだそりゃ?」

バンビ「何してんの?まだ二人で悪巧み?」

琥 一「!? ○○。」

琉 夏「ちょっとね、反省会。」

バンビ「反省会?」

琉 夏「大迫ちゃんのアタマに黒板消し落とそうとしたんだけど――」

琥 一「あの野郎、見事にキャッチしやだった。」

琉 夏「そんで、散々黒板消しで叩かれた。」

バンビ「そんな小学生みたいなことするからでしょ......」

琥 一「ウルセー。歳はカンケーねんだよ。」

琉 夏「そういうこと。名誉の問題なんだ。」

バンビ「あっそ。早く行かないと、授業始まっちゃうよ?」

琥 一「先行け。 俺らはこれから作戦会議だ。」

琉 夏「そんじゃね。」

 

琉 夏「要するにさ、手が使えないようにしとけばいいんだ。」

琥 一「まあな? で、どうすんだ――」

バンビ「(バカバカしい......)」

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バンビ「さて、午後の授業だ!教室に戻らなきゃ。」

???「違う違う、まだそこは出ちゃダメだ。」

???「あ?なんでだよ?」

バンビ「(......あれ? 琥一くんと琉夏くん)」

 

琉 夏「だってそれじゃコウのアタマに落ちる。」

琥 一「おぉ、そうか。 じゃ、いつ出りゃいいんだよ?」

バンビ「ねぇ、何してんの?二人して。」

琥 一「!? ○○。」

琉 夏「ちょっと練習。」

バンビ「練習ってなんの?」

琉 夏「大迫ちゃんに黒板消しを――」

琥 一「馬鹿、コイツにしゃべったら、チクられんだろーが。」

琉 夏「そっか、危ねぇ危ねぇ。」

バンビ「ん? ......なんか悪巧み?」

琉 夏「違う違う。ぜんぜん違う。」

琥 一「おう、違うぞ?」

バンビ「怪しい......」

琥 一「おいルカ、そろそろ、授業が始まるな?」

琉 夏「いっけね!遅れちゃう!そんじゃね。」

琥 一「オマエも遅れんな?」

バンビ「............」

 

琥 一「で?どこなでいった?」

琉 夏「だからさ、
    俺が”先生、こっち!”って言うから、そしたら――」

バンビ「(怪しすぎる!)」

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琥 一「なぁ、オマエと二人で花火観んの、これで何度目だ?」

バンビ「【三年生だから三度目だよ】」

琥 一「三年だとどうして三度になる?」

バンビ「どうしてって、だって......」

琥 一「三年だからじゃねぇ、毎年来たからだ。」

バンビ「うん......そうだね。
     琥一くん、今日はいつもと違うね?」

琥 一「ウルセー。
    俺だって、たまには考えることもあんだよ。
    なぁ......」

バンビ「なに?」

琥 一「何度目か忘れるくらい、また見に来ような?」

バンビ「(琥一くん......)」

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琥 一「なんかよ、チャラチャラした女だけの客が多いな......
    東京から来てんのか?」

バンビ「【かっこいい男子だって多いよ?】」

琥 一「なんだそりゃ、妬いてんのか?」

バンビ「べつに?」

琥 一「おい......つまんねぇことでへそ曲げんな。」

バンビ「うん......」

琥 一「よし。 ところでよ......」

琥 一「さっき言ってたカッコいいっての、どいつだ?
    オマエにちょっかい出したりしてねぇだろうな?」

バンビ「(琥一くん、結構ヤキモチ妬き?)」

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琥 一「おい、こっちは見つけたぞ。レア盤だから、ちょっと高ぇけどな。
    チクショー、飯抜くか......」

バンビ「【お金貸してあげようか?】」

琥 一「おぉ!? ......マジか?」

バンビ「うん。 待って、いくら残ってたかな――」

琥 一「やめろ......」

バンビ「?」

琥 一「オマエ、小遣いだかバイトだかで、必死に貯めたんだろうが。
    そんな金、使えねぇよ。」

バンビ「でも......」

琥 一「いいって。またどっかで見つけたら、買うことにするわ。」

バンビ「いいの?」

琥 一「オマエは底抜けにいい奴だ。
    俺みたいなのには、もったいねぇかもな。」

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バンビ「世にも恐ろしいよ~お化け屋敷だよ~」

バンビ「(ふぅ......お化けになって客寄せは大変だ......)」

???「よぁ、やってんな。お化け。」

バンビ「あっ、琥一くん。入って行って?」

琥 一「馬鹿、入んねぇよ。」

バンビ「そんなこと言わないで、ちょっとだけ! ね?」

男性客「あ、カワイイお化けぇ~!
    お化けちゃんも一緒に入ってくれるの?」

バンビ「あ、いらっしゃいま――」

琥 一「ついて来ねーんだそれが!悪ぃな?」

男性客「す、すいませんでした......」

バンビ「琥一くん!」

琥 一「入りゃいいんだろが......」

バンビ「お客様1名、入りまーす!」

 

【成功】

???「オ”ォーー!!」

男性客「オワッ!? た、助けてー!!」

バンビ「???」

琥 一「ハハハッ!
    おい、楽しいじゃねぇか、ここ。 悪かねぇぞ?」

バンビ「............」

バンビ「(まあ......やった!琥一くんは楽しんでくれたみたい!)」

 

【失敗】

琥 一「なぁ、おい。」

バンビ「あ、琥一くん!どうだった?」

琥 一「そんなことより、ちょっと暴れたら、壁が倒れだぞ?
    危ねぇな、オイ。」

バンビ「(大変っ!もっとしっかり準備すれば良かった......)」

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